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き続き商工会議所の指導とB−WAY’Sのアドヴァイスを受けながら、「蘇れ油津 港と運河のまちづくり」計画策定事業を実施した。昨年の事業の資料等を参考に、みなと地区をうるおいのある、住む人にとってやさしく且つ賑わいのあるこれからの時代にマッチした観光スポットとして再生させる為の方向づけをする事業である。委員会としては、みなと地区全体の青写真を描きたかった。そして国道により2つに分割されているエリア融合させる為に商業港、漁港、堀川と山をどのようにリンクさせ、又その地に埋もれている資源を発掘し、外来からの人の流れをどう導き、この地区全体を商業、工業、漁業等と住宅が混在するそこに住む人たちの生活のにおいがするエリアにする為のグランドデザインから始めたかったわけだが、補助金の目的に沿わないという県の意向と油津港漁港区、堀川漁港区に関する県・市のコンセプトが明確になっていない現状から、B−WAY’Sのアドヴァイスもあり、やむなくエリアを絞り込まざる得なかった。みなと地区の国道と堀川に挟まれたレンガ倉庫が残るエリアを選定し、実在の建物を5棟選定し、平面図を起こした。老朽化が進み、早く手をいれないと再生不可能になる恐れのある建物もあったがそれをどのように利用していくかを外国の例や国内の先進地視察の結果も紹介しながら、地区の人達を交えて、勉強会も何度も実施し、それをふまえて、みなと地区内のミニ観光ルートマップを含む報告書を作成し、関係各方面に配付した。

 

8 住民によるまちづくり
94年ひとづくり委員会が発足後間もなく宮崎県による「新しい魚の港街づくり・可能性調査委員会」が設置され、油津港がその対象になった。ひとづくり委員会引き続き、まちづくり委員会も委員として参加した。我々の構想を現実のものとし、よりスケールアップできるまたとないチャンスに思えた。しかし、95年に入り、調査委員会のコンセプトが当初のものとは大きく違った、又我々のものともかけ離れた異質なものとなってしまった。まちづくり委員会の視点の1つは「事業として成り立つか」であり、「地域に効果をもたらすか」である。行政の提示したものは事業を展開する場所は既に決まっ

 

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写真331 河野宗泰宅 レンガ倉庫と家屋並びに京屋酒造本店の家屋・土蔵のリニューアルイメージ図−「蘇れ油津・港と運河のまちづくり」レポートより−

 

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写真332 河野宗泰宅 レンガ倉庫外観・内部と平面図

−「蘇れ油津・港と運河のまちづくり」レポートより−

 

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写真333 上記場所のリニューアルイメージ図

−「蘇れ油津・港と運河のまちづくり」レポートより−

 

 

 

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